Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「麦秋/小津安二郎」

連休最後の日とあって終日ビデオ鑑賞日。この機会に纏めて3本観た小津作品。neachの小津体験は佐藤忠男著『小津安二郎の芸術』を読んで纏めて代表作品を漁った高校時代。まだそのよさが分からなかった多感期に観てあまりいい印象では(ない)。退屈な映画だな、というのが正直な感想。

その後、池袋の文芸座で小津監督特集があり、まとめて観てからはまった監督で日本を代表する監督だと今でも思って。今回は久し振りに鑑賞した『麦秋(1951年作)』を取り上げて。

例によって娘(原節子)の結婚にまつわるその家族とのやりとりを描いた作品,当時の高い評価とは裏腹に今回はそんなに感情移入は(せず)。主演の原節子や常連の笠智衆杉村春子淡島千景といった名優の演技は見応え,テーマや子供に対する描き方等にちょっとした違和感。子供を叱る部分やまだ結婚していない女友達を既婚の友達が揶揄する部分等にちょっとステレオ・タイプな描き方を感じ馴染め(ず)。

また原節子が子持ちの相手を結婚相手に決めたことでその男性の母親役の杉村春子が異常な喜びを表現する箇所も以前のような素直な気持で同化でき(ず)。neachの小津作品のベストは初のカラー作品『彼岸花』、あの中の浪花千栄子のユーモアが最高の演技、耳の遠くなった老父に対する子供の演技もそんなに可笑しく感じ(ず)。

やはり小津作品の中では印象に残る部分が多く、いろいろ思い出しながら鑑賞できたのでいい追体験映画