Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「日本習合論/内田樹」

一昨日、目黒まで出向いて内田樹くんの新刊書『日本習合論』を有隣堂で購入。今回の新刊はタイトルにも興味。内容も濃いし、多岐に亘っての考察が続き、全部精読できていません。それでも随所に内田節が聞けて,購入しておいてよかったと思える良書。

印象に残った箇所のみ事前レポート。前書きの『「雑種」は日本文化の本態である』というたたきで加藤周一の『雑種文化 日本の小さな希望』に触れイントロを書き出し、「加藤が論じていないこと」を語っている。

「日本固有のものと西洋から入ってきたものが共存することが「習合」のコンセプトだという視点でいろいろな例を挙げて。その考察は神仏習合という視点や農業と習合の関係から会社の雇用形態、日本的民主主義の可能性、果ては土着とは何かということ、更に日本のポップス史観等に至るまで実に多岐に亘っても考察がなされていて簡単にはその全貌を紹介できないほどの「濃~い」内容。

彼の守備範囲の広さと博学には目を見張るもの。現在の日本のオピニオン・リーダーとして人気を得ている理由も十分理解できる良著。身近にあんな論客がいてくれることを誇りに思うととも今度益々健筆揮っていただき、日本の知識人の代表として活躍してもらいたいなと陰ながら思い