Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「ねえ、彗星/寺尾紗穂
一昨日、岡山にいる知り合いの方に安否のお尋ねをした後、長い電話、寺尾紗穂さんが「新潮」に掲載された寺尾次郎さんの追悼文の話題。<昨日、父が死んだ>という書き出して始まる心打たれる文章だったので早速上の大家さんにコピーを、追悼文の中で出て来た「ねえ、彗星」という曲の入った『御身(onmi)』を教えてもらったのですぐに購入。「オシン」と言って紹介してくれたアルバムは紗穂さんと寺尾次郎さんの「遠くて遠い」親子関係が<やたら涙もろいとか、遠く旅するところとか、君と僕とは似ているよ>といった歌詞に暗喩として現れていて違った印象の曲に。
父親が亡くなった翌日に書いた文章がシンガーソングライター、寺尾紗穂というイメージから文筆家、寺尾紗穂という作家に思えるほど洗練された文章になっていて改めて感心し。思い出すのは以前彼女の書いた『評伝川島芳子ー男装のエトランゼ』という新書本を読んでしばらく後にneachが偶々持っていた「蒙古の唄/川島芳子」というSPレコードをお貸したこと。その時もなんて多才な人なんだろうと思って見方が変わった印象。シュガーベイブのベーシスト兼ゴダール等の名字幕翻訳者だった寺尾次郎さんもそう、人は一つの側面からだけでは評価できない思いを紗穂さんのあの本からも感じた立派な学術研究書