Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

昨日は月一の定休日。いつもなら映画を観たり、街に出て用を足したり、買物をしたりして過ごす、最近の定休日の過ごし方は「何もしないこと」。昨日も身の回りの整理、遠出もせず、音楽も聴かずにひたすら休むことに終始。外出は久し振りの清水湯に行ったくらい、丁度いいタイミングである本が贈られてきたのでそれをじっくり読むことに。
最近カフェによく来てくれるY氏のお薦めの小説で、南川泰三さんという放送作家の方が書かれた自伝小説『グッバイ艶』。Yさんはこの作品に甚く打たれたようでこの作品を映画化するための推進委員会なるものを立ち上げ、何を思ったのかneachにも感想を聞きたいということで出版社から献本。最近はあまり現代小説に触れていなかったので、果たして興味を持って読めるか自信がなかった、時間もあったせいか一気に読み切ることが。内容は実話を元にした自伝小説で、激しい愛憎の果てに亡くなっていった亡き妻への愛の鎮魂歌といった趣き。最初、性的な描写やあまり馴染みのない男女間のやりとりがテーマとなっていて戸惑い、読み終わってみると意外に清々しい気持ちにさせられる小説。実在の夫婦の話しという括りを越えて小説(フィクション)として読み応えのある作品。何より圧倒的な存在感を示している艶(えん)という女性の生き様が印象的で、女性の持つ神秘性や無垢な魂とともに悪魔的な手強さや手に負えない性格の一端が生々しく描かれていて、その記述で読者を引っ張って。やはり男と女は違う生き物なんだなと思い知らされ。映画化したら面白い作品になるかもしれないなとも。主人公の艶はどの女優さんになるか、なんて勝手に想像。どんな小説かな、と興味を持たれた方は是非本屋さんへ。増刷も決定したということで評判を呼んでいるよう。