Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

カフェが暇な時は専ら落語を聴いて。昔貯め込んだ名人の全集や古典落語の聴き比べものをゆったりとした時間の中、味わって鑑賞。
昨日は八代目、桂文楽古今亭志ん朝の「愛宕山」を聴き比べ。
黒門町の師匠の定番は至藝とも言われ長く讃えられた名演。ビデオ等の映像で観たいもの、手元にあるのは1954年のラジオ音源、その演技を想像。客の反応でその熱演ぶりが伝わってくる。特に旦那が土器(かわらけ)投げに興じ、挙げ句の果てには小判を谷底に投げ入れてしまい、それを取りに下りて行った幇間の一八が自分の着物を割いて縄を作り竹のしなりを利用して上に上がってくるシーンは現実的ではないとはいえ、見事な演技で観客から思わず拍手の起こる箇所。
志ん朝さんの方はバンバン小判を谷底に投げ入れる旦那を見ていて気が気ではなく思わず胸をあけ、こちらに放りなさい、という一八の性格描写が実に可笑しくてうまい表現。
随所でありえない筋立てのような噺、この2人が演じると実際にそういった光景が浮かんでくるような名演。
元々上方落語なので関西の落語家のものも聴いてみたいもの。