Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

月一回の完全休養日。実は前々からあることをしようと決めて。このところ凝っている八代目桂文楽師の8枚組DVD、纏めて鑑賞する日に当てるつもり。題して「今日は一日文楽三昧」。
以前、リーマンをやっていた頃、リタイアして日がな一日落語を聴いて過ごしたいと、今はそんな時間の使い方が一番贅沢な過ごし方だと思ってそう試み。
桂文楽師の落語は至芸とも言ってよい名人芸で何度聴いても飽きない究極の落語鑑賞に思えたから。今年に入って小学館発行の全10卷のCDとビクター発行の桂文楽十八番集(全7卷)を暇さえあれば聴いて、音声だけでは物足りなくなり動画を鑑賞したくなった、小島信夫の「抱擁家族」3卷と引き換えに8枚組DVDを借りて誰にも邪魔されずに鑑賞。
別の興味(明日触れますが)が出てきて一日中鑑賞する計画が半日に。第一巻 「明烏」「穴どろ」「按摩の炬燵」第二巻 「富久」「干物箱」「馬のす・大仏餠」第三巻 「愛宕山」「心眼」「つるつる」第四巻 「鰻の幇間」「悋気の火の玉」「景清」「松山鏡」まで観ることが。いやー、凄い!これは正に至宝、一言では語り尽くせない話芸の極地が展開。主に68年から70年前後にかけての録画で晩年の文楽師の代表作を鑑賞できるこのDVDはやはり借り物ではなく揃えた方が得策かも。特に印象に残った箇所は有名な最後の高座となった「大仏餅」の件り。この
DVDは1970年のもの神谷幸右衛門という人物の名前が出なくて「もう一度勉強して参ります」と言って高座を下りた1971年8月31日のことを思い起こしながらその箇所を聴き。完璧な芸風で他の追従を許さなかった文楽師が絶句という事態で高座を下り、それ以来二度と舞台に上がらなかった逸話は何度聞いても芸の恐さと人間の老いとの関係を考えさせられる事件として胸に迫って。いろいろ触れたい話題や感想の多い文楽三昧、また別の機会に残りを紹介。いやー、凄いアーカイブだ!