Neach’s One Phrase

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隠し砦の三悪人 予告篇/黒沢明
成瀬巳喜男の『浮雲』、デラニー&ボニーが出てくる映画『バニシング・ポイント』(デヴィッド・ゲイツも出ていた!)に続けて観た映画は黒沢明監督の名作『隠し砦の三悪人』。改めて観て凄い映画だなと感嘆の声。戦国時代劇とあってエキストラの数や演出が見事で人海戦術という黒沢映画の真骨頂が出ていたように。欲深い百姓役で登場する千秋実藤原釜足の演技が抜群、三船敏郎上原美佐とのコンビネーションも絶妙。随所にハラハラドキドキな展開、一見無理のある設定も娯楽映画の視点からすると許せる展開でシナリオもうまい共同作業に。結構役者が体当たりの演技をしており、演出とはいえ大変な場面を難なくこなしているところも流石昔の俳優さんたちの演技力。なるほどと思える終わり方で十分楽しめ。そう、黒沢映画の魅力って映画を観た後のカタルシスを十分に感じることのできる点ではない(か)。細かいストリー運びやありえない設定を云々するより映画に没頭する時間を持てたことが名作たる所以ではないかと思って。他の黒沢作品をもう一度観直してみたくなった作品。