Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

一昨日のSP講座が行われた際、ご常連の大先輩、小島さんから『映画俳優・池部良〜女優が語る二枚目スタアと昭和』。前回のランチ・ライブの際、池部良の話し。早く観たかったので店に早出してオープン前にじっくり鑑賞。
二枚目(イケメンではない!)俳優という呼び名がぴったりの池部さんの思い出をかつての共演女優たち(岸恵子杉葉子岡田茉莉子司葉子)が語る大変興味深い番組。とりわけ『青い山脈』で共演された杉葉子さんの近影(写真:アメリカ在住)が観れたり、司葉子さんの芸名は池部さんが付けたこと(本名の庄司葉子の「庄」を取ったらと提言された)や岡田茉莉子さんを誘って洋画『ローマの休日』をジープで連れていってくれたエピソード等、池部さんのお人柄が偲ばれる回想話し。
またエッセイストとしても一流の池部さんの文章を引用して当時の巨匠と呼ばれた映画監督(島津保次郎吉村公三郎豊田四郎小津安二郎渋谷実)からのオッファーや演技指導のいきさつを簡潔に紹介していて分かりやすかった。特に小津監督の厳しい演技指導(『早春』で主人公の杉山が転勤を告げられる直後のシーンでタバコの箱を手で回す演技を何度もやり直させた)のいきさつは小津映画の真髄を垣間みた思いで深いやりとりだと。更に小説の神様志賀直哉から「大根役者」と呼ばれがっくりしたものの、逆に大根の持つ特性が下手を意味するものではなく上手い役者を指すものだと言われ、以後座右の銘としたというエピソードも面白。
普段よりテレビ嫌いを標榜している身としては言いにくい、こういった番組は大いに評価したいところで持ってきてくれた小島さんには改めてお礼。