Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

凄い本を読み出して。普通読書の感想文というものは読み終えてから書くのが常識、2段組みで700ページを越える分厚い本であることとタイトルが『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』という刺激的な内容であることとneachが一介のプロレス・ファンであるという理由から読み終わる以前からこの単行本の話題を載せることに。
昭和29年12月22日、最強の柔道家からプロレス界に転じた木村政彦と相撲の世界から人気絶頂のプロレスラーになった力道山との世紀の一戦は視聴率100%という全国民が注目する中、行われ木村は一方的な攻撃の前に成す術なくノックアウト。著者の増田俊也さんは柔道家の立場から木村先生の名誉を挽回しようと渾身のルポでこの戦いを分析。その世紀の一戦がYouTubeに。この戦いをきっかけに最強の格闘技家、木村政彦の名は矮小化され、スポーツ史の中でも正当な評価のないまま半生を。neachはプロレス側の立場でもなく、柔道の側でもなく、ましてや柔道界で講道館、武徳会、高専柔道という三派の流れなど知る由もなかった、それらを語る上でこの木村政彦という柔道家がいかに大きな存在だったかが少しずつ読み進むにつれ分かってき。「最強」伝説はいろいろなところで作られ増大し、一人歩きし、伝説化していくもの、木村政彦という男の栄光と挫折がこんなに丹念に、しかも愛情を持って書かれていることに驚きと畏敬の念を禁じ得(ず)。木村政彦も凄い人物ですが、著者の増田俊也という人も執念のジャーナリストだと。これは取りあえずプロローグ、今年になって読んだ本の中で最も衝撃的な一冊に。なかなかじっくり腰を据えて読む時間がとれないのが心残り、何とか読破してneachなりの感想を記してみたいと思って。