Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

平川くんが医学書院のウェブに連載していた『俺に似た人について知っていること』が最終回。毎回感心しながら、深い感情移入をしながら読ませてもらっていた文章、おやじさんのご臨終をもって筆が措かれ。介護という我々にとって避けられないテーマをこれほど抑制の利いた文章で綴った書物をneachは知(らず)。身内意識で言っているのではなく、同じ世代で父親とどう向き合ったらいいのかという演題をこれほど真摯に分かりやすく書いてくれたことに深い畏敬の念を隠し得(ず)。実際、彼の実家には何度も遊び行っておやじさん、おふくろさんとも交流したことがあったので身近な話題や推測のつくエピソードも多く、他人事ではない気分で読んで。実はneachも1995年頃から10年間ほど母親と父親の介護で明け暮れていた時期があり、それと重ね合わせて思い出される事柄も多く、納得できる箇所は多々、あんなにうまい文章で怜悧に顧みることはでき(ず)。むしろ自分にとっては重い分銅を降ろして身軽になり、それが引き金となって今のようなアナーキーな生活に突入したと言っても過言ではないので余計この文章が身にしみて感じられるのかも。neachの回りでも反響が多く、同世代で同じ問題を抱えている人には迷わずこの文章を読むよう強く勧めて。いずれ単行本として出版される予定、その本が出た暁には再度通して読んでみて自分なりの介護生活への「ケリ」をつけようと。また、ちょっと気が早い、出版記念講演と題して平川くんを呼んでアゲインでトーク・イベントを開催しようとも。取りあえずまだ読んだことのない人は是非読んでください。これはこれから親の介護という問題を抱えることになる世代の方々に是非読んでもらいたい良書。