Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

もう既に正月気分も去り、すっかり日常の業務に戻って。かすかに年始を感じるのは投函された年賀状を眺める時くらい。
今年になって初めて読んだ本は文庫『人生、成り行きー談志一代記ー』という立川談志のインタビュー本。聞き手は吉川潮。落語界のみならず時代の寵児となるまでのエピソードを縦横無尽に語ったもの。一番信頼を寄せている吉川潮という最高の聞き手のナビゲートの元、数々の秘話を含め、分かりやすい言葉で語り尽くして。
特に少年時代、鵜の木というneachの実家のすぐそばで過ごした頃の思い出(武蔵新田という地名が談志さんの口から出てきて嬉しかった)や野球小僧がそのまま大きくなった話し(談志さんの好みの野球選手は例えば広島の長谷川投手やセネターズの大下弘だということ)等大瀧さんにも匹敵する興味の持ち主で落語に留まらない関心の深さにただただ敬服。
やはり立川談志という存在は今の時代にあっては不出世の噺家だったと改めて感じ。我々はそんな天才噺家が亡くなったことを悲しむより同時代に生きて、実際に高座を観れたことや同じ空気を吸えたことを至福の喜びとしたい。立川談志をこれからもずっと追っかけていこうと思って。