Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「『忘れられた女神たち』川本三郎
昨日に続き川本三郎さんの本の話題。1986年に出版『忘れられた女神たち』。昨日『脇役グラフィティ』を取り上げ,久し振りにめくって。これも『脇役グラフィティ』と同じようにあまり知られていないアメリカの女優さんを中心に紹介した本で、取り上げられている「女神達」をneachはほとんで知(らず)。わずかに黒人美人ジャズ・シンガーのリナ・ホーンぐらい。川本さん、「忘れられた」とか「脇役」とかいう括りの紹介が好き。neachもどちらかというとマイナー志向で多くの人がいいという歌手や物事はその人たちに任せておけばいいと思う、誰も注目していない歌手でよく知られていない対象にはおせっかいながら紹介したくなる性質。20人の「女神」たちを取りあえず紹介しておきましょう。ヘディ・ラマー(エクスタシーと呼ばれた女)」、「デューナ・バーンズ(失われた世代のレスビアン作家)」、「バーバラ・ハットン(七歳で世界一のお金持ちになった少女)」、「イデス・ヘッド(ハリウッドの衣装デザイナー)」、「ドロシー・ダンドリッジ(黒いヴィーナスと呼ばれた黒人女優)」、「マリオン・ディヴィス(ジャズ・エイジのフラッパー女優)」、「エルシー・ド・ウルフ(1920-30年代のテイスト・メイカー)」、「タルラ・バンクヘッド(ハリウッドのゴシップ・クィーン)」、「キャサリン・アン・ポーター(寡作のボヘミアン作家)」、「ジプシー・ローズマリー(二十年間第一線で活躍したストリッパー)」、「レナ・ホーン(アイス・ビューティーと呼ばれた美人歌手)」、「リビイ・ホルマン(百万の富みを手にしたシンガー女優)」、「メイベル・ノーマンド(ハリウッド初期のお転婆女優)」、「マーガレット・バークホワイト(二十世紀を撮り続けた女性カメラマン)」、「キャロル・ロンバート(ハリウッドのお転婆美人女優)」、「アニタ・ルース(ジャズ・エイジの女流作家)」、「ドロシー・パーカー(プリンセス・チャーミングと呼ばれた毒舌家)」、「グロリア・ヴァンダービルト(十歳で全米の注目を浴びた富豪の娘)」、「ドロシー・ブレット(荒野に住んだ貴族出身の画家)」、「ジーン・リイス(30年代の女流作家)」それぞれの短いコメントは川本さんの紹介。短い紹介文で興味を惹かれる人ばかり。これらの個性的な「女神たち」に脚光を当てた川本さんのセレクションとコメントが全く知らないneachでも心に響く物語がここにはある。最後のあとがきの結びで川本さんが引用している言葉を紹介。<女たちは愛しながら生き、そしていくつものロマンスを残して死んでいった。「死はすべての本質だ。世界中で最も大きな物語だ。ただし愛の物語を除いて」(ヴェンダース「ことの次第」より。>