Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「How High The Moon / Ella Fitzgerald
先日の「アゲイン・ジャズ・クラブ」での課題曲「How High The Moon」。この記述は主にジャズ・クラブで配られる解説パンフを参考に、この曲は1940年にブロードウェイで上演されたレビュー「トゥ・フォー・ザ・ショウ」でバップ系のミュージシャンたちがカバーして有名になった曲。この曲の斬新さに惚れ込んだディジー・ガレスビーが「ミントンズ」という小さなジャズクラブでジャム・セッションをして広まったもの。この曲のコード進行がジャズに新しい息吹を吹込みチャーリー・パーカーコールマン・ホーキンスといった創成期のジャズメンがとりあげ、"バップの聖典”と言われるまでになった名曲。その後、大瀧さんの「アメリカン・ポップス伝」でも紹介されたレス・ポールとメアリー・フォードの演奏が全米Vo.1になってその多重演奏(先日レス・ポールのライブ映像で音を重ねていく奏法を紹介)で評判を呼び、いわゆるジャズのスタンダードとなった曲。
もう一つ重要な流れがあってノーマン・グランツという有名プロモーターがロスで「Jazz at the Philharmonic」(JATP)という実況録音盤をリリース、新しいジャズの紹介に寄与したという歴史。ですからこの「How High the Moon」はジャズの発達史においても注目すべき楽曲。ジャズの初心者にとってこういった情報は大変参考、ちょっと関心,ジャズ・クラブも出張ブランディン同様、有意義なイベントだ。今日はジャズのフィールドで一番有名なヴァージョンであるエラ・フィッツジェラルドの素晴らしいスキャット・ヴァージョン。