Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

中野忠晴という歌手、作曲家をご存知でしょうか?
服部良一とともに洋楽ポップスのエッセンスを歌謡曲の世界に持込み、戦前のコロムビアを代表する歌手の一人。戦後は作曲家としてキング・レコードに移り三橋美智也の「達者でナ」や若原一郎の「おーい中村君」等を作曲し、多くの佳作を残したことでも知られている人。また阪神タイガース・ファンには必須アイテムの「六甲おろし」の最初のヴァージョンはこの中野忠晴さんの歌唱。
功績をきちんと伝える個人作品集が CD化されておらず、もしその動きがなければニーチ・レコードの第3弾として企画してもいいなと思っていた最後の大物。その中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズの楽曲を2枚組アルバム、全46曲というボリュームでこの度、コロムビアから作品集が発売。ご子息の中野忠彦氏が瀬川昌久先生の監修・解説でご尽力されたもの、先日その中野さんが店にわざわざお見えになり、サンプル盤を置いていってくれた。
随所に素晴らしい歌唱、コーラスとアレンジ(仁木他喜雄!)が施され、これは騒がないわけにはいかない。選曲がよく、代表曲である「山の人気者」「ミルク色だよ」「小さな喫茶店」(この曲大好きです!)「山寺の和尚さん」「バンジョーで唄えば」等に加え、「ダイナ」「愉快な独り者(月光値千金)」「タイガー・ラッグ」「歌の国メキシコ(国境の南)」等の有名な原曲をカヴァーしたものが沢山収録されており興味の尽きない編集。特に「サンライズ(The World Is Waiting For The Sunrise)」や「ボレロに寄せて(Begin The Beguine)」等を聴くことができたことは大きな収穫。
中野さんのご子息に是非、アゲインでこのレコ発イベントをやりましょう、と持ちかけ来る8月1日(日)に開催することが決定。奮ってご参加。その前に是非、この2枚組アルバムをお買い求めいただき中野忠晴という人の功績の一部をご鑑賞。