Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

このところneachの関心の多くは一冊の新刊書に。我等がカメちゃん、こと亀渕昭信さんがご自分の体験を元にして書いた『亀渕昭信のロックンロール伝』(ヤマハミュージックメディア)が冒頭から興味深い記述があって自然と引き込まれ。45回転の「ドーナツ盤」と呼ばれたレコードが出来たいきさつから分かりやすく解説。
アメリカのメディア王と言われたデビッド・サーノフという人物がRCA(ビクター)の社長だった頃、コロムビアの推奨したLP盤(33回転)に対抗して発売したものがEP盤というシングル盤。年代も1949年頃、ビクターとコロムビアは互いにライバル意識丸出しのメディア抗争、クラシック音楽等の長い演奏録音に有利なLP勢力が覇権を握ろうと。サーノフ率いるビクター勢もコンパクトなサイズのEP盤に社運をかけて販売合戦に、優秀なクラシック奏者が挙ってコロムビアへ移籍する気配があり、LP側の勝利かと思われ。その時、有名な指揮者トスカニーニのアドバイスを受け入れてサーノフはLP盤の製作も行うことになり、やがてコロムビア側もEP盤を採用して両方のメディアが存続し、今日のレコード文化が形成されるといういきさつを面白く紹介。
こういう話題って大好きでその他にも続々レコードやロックン・ロールに関する亀渕さんならではのエピソードや証言が紹介されており飽きることが(ない)。何より音楽が好きでたまらない方だなという記述が随所に感じられとても好感。我々の世代はもろ亀渕さんの発掘した洋楽やラジオ放送のおかげで音楽好きになった人が多いのでその体験談や裏話しは有り難く思える。是非本屋さんへ走ってこの本をお買い求めください。面白いですよ。