Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「Smile / Jeff Lynne
今年になって初めて聴いた音楽はジェフ・リンの新作『ロング・ウェイヴ』。霧の中のトニーさんから「いいですよ」と聞いていた、素晴らしいカヴァー集。
先ず収まっている選曲がツボを得ている、どれもどこかで聴いたことのあるスタンダード・ナンバーであったり、フェイバリット・ヒット曲であったりでそのセレクションに感心。
更にジェフ・リンという人のロック色の濃い個性豊かなフィルターのかかったアレンジで好きな曲がまた更に好きになるカヴァー。エルヴィス・コステロのカヴァーで有名な「She」(シャルル・アズナブール作曲)で始まってチャック・ベリーのロックン・ロール・ナンバー「Let It Roll」で締める10曲にボーナス・トラックとしてボビー・ダーリンの「Beyond The Sea」とデル・シャノンの「Jody」が収録されていてその流れも楽しめ(た)。
好きなナンバーとしては冒頭の「She」に加えることエヴァリーの「So Sad」、ロイ・オービソンの「Running Scared」、チャップリンの「Smile」、ハリー・ウォーレンの「At Last」、それに映画音楽の古典「慕情(Love Is A Many Splendored Thing)」とどれをとってもオリジナルに勝るとも劣らないカヴァーでこの人のセンスの良さと強い個性を感じて。どの曲をとりあげようか迷った、やはり最近の自分の心境を代弁している「Smile」のカヴァーを今日の曲。何だかとても勇気の湧いてくる歌いぶり。全体にトラベリング・ウィルベリーズサウンド色を感じさせる選曲とアレンジでELOのリーダーというよりはトラベリングの主要メンバーの作品という気が。ジェフ・リンという人もロッド・スチュアートやポール・マッカートニィと並んでルーツ・ミュージック、とりわけスタンダードに深く傾倒したミュージシャンということがこのアルバムを聴いて納得。