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[今日はこの曲][Book]
「Doo-Bee-Doo / The Dukes of Surf」

昨日は今月唯一のカフェ日。何だかホッとするような大事にしたいような一日。お客さんが少なかったので,完全プライベイトの時間。

1週間前くらいに購入した中島岳志さんの『血盟団事件』という新刊を読み終え。中島さんという若手（1975年生まれ）の歴史学者に興味と希望を。実に丁寧な取材と調査を元にルポをしていてドキュメンタリーの醍醐味を味わうことが。30代という若い世代に中島さんのような堅実な思想家がいることを大変心強く。緻密な調査を元に過去の歴史を再現する筆力を感じ、捨てたものでもないなと。昭和の初期に新興宗教に近いカリスマ指導者として当時の若者たちを「一人一殺」テロに導いた井上日召（昭が本名でそれを分けて改名した）という像を関わった「血盟団」メンバーの遍歴や裁判記録、上申書を元に克明に綴った方法論は正統的で十分に説得力のある文章。とりわけ巻頭のメンバーの紹介写真や事件終了後の裁判の際に深編傘を冠って出廷する血盟団員の写真がインパクト。当時の若者の焦燥感や使命感がテロリスト集団と化す過程を現代の社会の若者の問題意識と照らし合わせて考えさせられるノンフィクション。中島さんの他の本も読んでみたく。（今日の曲、ペット・サウンズお勧めの「ハワイのビーチ・ボーイズ」The Dukes of Surf。）