Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「映画『ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』予告
昼間から恵比寿のガーデン・シネマにロバート・アルトマンのドキュメンタリー。以前よりneachの洋画ベスト・ワンはアルトマンの『ナッシュヴィル』だと公言、公開された彼の映画はほぼ全部観ている映画監督、その生誕90周年を記念して公開された映画とあって真っ先に観に。監督はロン・マンというトキュメンタリー映画の世界では名の知れた監督で分かり易くて丁寧に描いて。先ずアルトマン映画のキーワードとなっているAltmanesque(アルトマンらしさ)」という言葉を出演した著名な役者さんに振って短いコメントを流すという演出がなかなか効果的。例えばサリー・ケラーマン(『M★A★S★H』主演女優)は一言「長回し」、リリー・トムリン(『ナッシュヴィル』)は「仲間を作ること」、ブルース・ウィリスは「くたばれハリウッド」とコメント。各コメントもさることながらベテラン俳優さんの近影が興味深かった。あのイケメンのキース・キャラダインが老成した姿『ナッシュヴル』で選挙参謀役を演じたマイケル・マーフィーも渋いお爺さん顔になっていて外人の歳の取り方の早さを感じて。また購入した映画パンフに日本の各界のアルトマン・ファンの声が載っていて町山さんや菊地成孔さんの他にピーター・バラカンさんのコメントが載っていましたがアルトマンの表記が「オルトマン」になっていてあることを思い出し。バラカンさんが初めてアゲインにやってきた時、「アゲインの石川です」って名乗ったところ、「アゲン」と訂正されたこと。監督デビュー作、「The Delinquents(不良少年)」から遺作となった『今宵、フィッツジェラルド劇場で』に至るまでの全作品の製作過程や逸話を関係者の証言や本人の回顧を含めてもれなく紹介し、更に未公開作品やホーム・ムービーまで珍しい映像も紹介されまさにアルトマンの全てを知る興味深いドキュメンタリー。とりわけ妻で共同製作者のキャスリン・リード・アルトマンの存在や彼を取り巻くファミリーとのふれあいを知ることができ貴重な記録映画。旺盛な製作欲で次々と問題作を生み出した不世出のアメリカの映画監督についてまだまだ知らないことが沢山あることを知って益々アルトマンを追いかけてみたく。映画の字幕が元シュガー・ベイブ寺尾次郎さん。