Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

椿三十郎 予告篇/黒沢明
いつまで続く、黒沢明週間。ライブの前にセッティングをしながら観て。「用心棒」がヒットしてその流れを汲む続編で主人公の浪人が助っ人で活躍するという設定も似て。脚本を書いた 菊島隆三小国英雄、それに黒沢明という共同作業がうまく機能しているように。つまり共同で脚本を書くことによりストーリーが重層な展開を帯びてきて、切った張ったの活劇の中にも人情味やユーモアが加味されて観る者を飽きさせない運びになっているよう。
一例が敵の手下で捕まってしまった小林桂樹のキャラクターが面白く、監禁されているにもかかわらず9人の若者たちに意見を言ったりする箇所が不自然では(ない)。
対立する双方にすり寄って策略を練る三船=椿三十郎も「用心棒」よりは人情味のある人間として描かれておりより身近に。
名前を尋ねられた際、庭に咲く椿の花を見て、「椿三十郎、もうすぐ四十郎だが」と言わせるあたりにユーモアも感じ。最後の仲代達矢との有名な決闘シーン(バーっと血が吹き出る演出)も「そんなバカな」と思いながらも効果としては満点でああいった工夫を入れていくのが黒澤映画の特徴とも言えるのでは。この作品も娯楽映画として面白かった