Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

あちらの天才編曲家の日本もの、我が国にも彼らに勝るとも劣らない天才編曲家。杉井幸一。
キング・レコードが誇る戦前日本の名アレンジャー兼クルーナー歌手でもあった杉井幸一の作品集は昨年、ブリッジから瀬川昌久さんの解説で『杉井幸一サロン・ミュージック集』という2枚組CDで復刻。
Neachも以前、瀬川さんのお宅にお邪魔した際、あの地下の書庫でこの杉井幸一のLPレコードを見せてもらい、興奮。これまでドイツ人、アメリカ人による日本の楽曲をオーケストレーションでうまく料理しているなと思って感心、杉井幸一もジャズを演奏するのが困難な戦前の日本で優れたアレンジで民謡や唱歌をスウィング、タンゴ、ダンス・ミュージックに仕立てていたので驚きた。
斬新なアレンジで全く古さを感じさせない演奏。先日、このアルバムのデサインを担当した岡田さんがやってきて杉井幸一が今、アメリカで再評価されていると言って。確かにアメリカ人が聴いても戦前の日本にこんなアレンジャーがいたとは信じられないセンスのよさ。瀬川さんの解説ではグレン・ミラー楽団におけるジェリー・グレイの編曲手法にも匹敵する才能、と絶賛。一番油ののりきった昭和17年、36歳という若さで夭折してしまった伝説のアレンジャー、杉井幸一がスポットを浴びる日は海外からの評価としてやってくるかも。