Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「ピーター・ポール&マリー(PPM)/パフ」
上の店の東尾さんが一冊の本が入った郵便物を持ってきて。平川克美くんの新刊書,『21世紀の楕円幻想論』サブタイトルが「その日暮らしの哲学」。本の帯には内田樹くんの推薦文で<人は必ず病み、衰え、老い、死んで土に還る。でも、その可傷性・可死性ゆえに、生きている間だけ人は暖かい。平川君が構築しようとしているのは、壊れやすく、傷つきやすいけれど、それゆえに暖かい「生身の人間の経済学」である。>とうまい惹句。全財産を失い、右肺の3分の1も失った著者がたどり着いた新たな贈与論。という本のキャッチ・コピーも目に。
寸暇を惜しんでこの本を読んで。知人としてこのような本が上梓されたことを心から喜び。
彼との付き合いは遡ること中学1,2年の頃。共通の友人に菅野健一くんという秀才。同じクラスになったことはないのに、お互いの家に行って一緒に遊んだり、仲間とつるんでいたずらをしたり、いわゆる「ぽん友」の一人。違う高校になったものの、一緒にフォーク・グループを気取ってピーター・ポール&マリーの歌を彼の家(工場)の二階でハモったりして楽しい青春時代。バイト生活からある翻訳の会社に籍を置いたところ、理工学部という将来を嘱望されていた彼が転がり込んできて一緒に仕事をするように。後に彼が興した翻訳会社にneachも滑り込んで彼の元で働くことに。かれこれ27,8年彼の翻訳会社で専務という肩書きで籍、楽しい時間を共有。一緒に働いていた頃の彼はneachにとっては上司、社長という存在,仕事をリタイアしてプータロー生活からカフェ・マスター、彼も複数の会社の経営に関わり、のちに同じ職種のカフェを立ち上げることになり、今度の新刊本等を量産する作家稼業。
一言で表現すると「面白い人」。とにかく周りの人間が彼と居ると楽しくなる稀有な性格。(かの大瀧詠一さんと対談した際、大瀧さんが真っ先に気に入ったのが平川くん。)社長、経営コンサルタント、作家、アイデアマン、起業のプロ、大学の講師、喫茶店オタクといろいろな肩書き、neachにとっては一緒に遊んだ頃の友達。好きな女の子の家を急襲したり、一緒にプロレス観戦をしてレスラーに殴りかけられたりしたり、バイク事故で「カタキン」になったりした昔のイメージがすぐに浮かび。「箱根麻雀旅行」のメンバーとして「楽しい夜更かし」の中心。内田くんがいみじくも語った、「平川のいない世界は想像できない」、というコメントはneachもそう思って。彼の著作の中で評価しているのが『俺に似た人』という父親の介護を綴った本,昔一緒に遊んだ頃の面影のない、作家としての才能を強く感じたもの。(以下、続く)