Neach’s One Phrase

ニーチ観察日記→ニーチ報告日記です。

「銀座の雀/森繁久彌
一昨日に引き続いて「普段できないことを思う存分やる」シリーズ。昨日も一日中、蟄居して好きな映画を観まくり。昨日のセレクションはずばり「川島雄三特集」。
代表作というよりデビュー作やマイナーな作品をここぞとばかりに鑑賞。1本目はデビュー作『還って来た男』(1944年)。2本目は『学生社長』(1953年)。3本目は『貸間あり』、そして再度チェックした『銀座二十四帖』(1955年)。当初、neachの川島作品のベストは『しとやかな獣』,のちに『青べか物語』に強く惹かれたことも。川島作品の特徴はシリアスな内容の中にペーソスやユーモアを感じさせる要素が入っており、物語の展開が荒唐無稽であっても最後は人間って健気に生きているな、と思わせる不思議な説得力。
小津や成瀬のように芸術性、完全性を求めた監督では(ない)が、ありのままの人間をドラマ仕立てで面白く描くという観点。『銀座二十四帖』には最初のカットでわが町武蔵新田の「新田(にった)銀座」が紹介、ナレーターの森繁さんは「新田(しんでん)銀座」と紹介。
また『学生社長』や『銀座二十四帖』で描かれる女性像が大変自己主張の強い性格で紹介されているのも監督の意図が出ていると。『銀座二十四帖』の主題歌の作者がSP講座でも特集した仁木他喜雄ということも新しい発見。